蛙のつぶやき

Twitterのつぶやきを補足。システム開発、プログラム、ガジェット、趣味、地元話など。

ゆとりの法則

このエントリは、コンピュータ書を読んでいる女子の Advent Calendar 2014 (http://www.adventar.org/calendars/536)用の記事です。

…と思ったんですが、アドベントカレンダーって人数集まってないと中止なのかしらん。


今回、私が紹介する書籍はこれ。

ゆとりの法則 ? 誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解

ゆとりの法則 ? 誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解

ソフトウェア工学者 トム・デマルコ氏が、変化に欠かせない「ゆとり」について述べた本です。 ピープルウェア、デッドラインと並び、3部作として紹介されることもありますね。

ピープルウエア 第3版

ピープルウエア 第3版

デッドライン

デッドライン


私が初めてこの本を手に取ったのがいつだったかは忘れましたが、

  • 出版が2001年
  • 2004年以降はデスマーチ突入(本を買う暇がない)
  • 2005年のパスネットが本の間に挟まっていた(電車内で2週目以降を読んでる)

…というわけで、2001年~2003年くらいの間に手に取っていたと思われます。


IT系書籍では古典と呼ばれてしまう年代の本ですが、ソフトウェア開発の現場にアジャイルが浸透し、変化の重要性が高まっている今だからこそ、読み返したい本ではないでしょうか。

この本を手に取った頃、私のいたソフトウェア開発現場では、ISO対応だのCMMI認定だのに躍起になり、まだウォーターフォールが全盛で、常に効率化やムダの削減(という割にムダな書類や会議が多かったような…)が叫ばれていたような気がします。

そんな中で出会ったこの本は、私の中の「効率化」という言葉のイメージと、そこに至るまでの手段を変えてくれました。


冒頭で著者自身が

知識労働者が大半を占める近代的企業で働くあらゆる階層の管理者に向けて書いた。知識労働者向けでもある。

と書いている通り、ソフトウェア開発プロジェクト管理に携わる人には是非読んでいて頂きたい本のひとつです。


私が好きな章は、

  • 第4章 「急げ」と言うと遅くなる
  • 第5章 イブを管理する方法
  • 第7章 プレッシャーの代償
  • 第9章 時間外労働
  • 第12章 間違った管理の第二法則
  • 第13章 恐怖の文化
  • 第20章 リーダーシップと「リーダーシップ」
  • 第23章 信頼関係を築くには
  • 第28章 変化の管理

付近です。それまで開発現場の文化だと思い、鵜呑みにしていた事を再考する良いきっかけになりました。

http://ec.nikkeibp.co.jp/item/contents/mokuji/m_P81110.html
目次を見て、ピンとくる部分がある方は、是非手に取ってみてください。



ちなみに、私は嫌な現場のデスクに、この本とピープルウェアを並べて置いておく癖があります…。最近は幸いにも並べる機会はありません。


…来年も良い現場だといいなぁ。