//build/ から de:code 2015、その先へ vol.1
2015年05月26日~27日の2日間、日本Microsoft社の技術者向けイベントである、de:code2015が開催されました。
概要は以下のURLからどうぞ。
http://www.microsoft.com/ja-jp/events/decode/2015/default.aspx
話題のWindows10や、Visual Studio 2015、久々に国内で販売されるWindowsPhone の正式リリースを控え、新しい技術を直に見れる機会ということで、多方面にアピール力抜群のタイミング。
TMCNのメンバーも参加するという情報があったので、これはモーションセンサー系の展示も期待できるかなー…あわよくば…という思いで、私も参加してきました。
参加の前に…
de:codeの内容は、サブタイトルに「TechEd + //build/」とあるように、//build/ という米国で先行して開催されたイベントの内容をカバーしています。 //build/のキーノートセッションの動画も下記で公開されていますので、(特にHoloLensあたりの)デモの様子が気になる方は是非視聴してみてください。
http://channel9.msdn.com/events/build/2015
リアルタイムで見ていた時は深夜に3時間あまりという長丁場でしたが、皆がTwitterでワイワイやっているのを見ながらだったせいか、寝落ちもせず視聴できていました。
あと、日本語版の字幕があるのですが、機械翻訳だからか精度がイマイチです。もしかしたら、英語の字幕を見ながら聴いたほうが分かりやすいかもしれません…。
聴講セッション 1日目
さて、ここからは当日私が聴講した内容を簡単にご紹介していきます。
Keynote 進化するエンジニアへ ~ テクノロジが創りだす未来と価値 ~
百聞は一見に如かず、で以下の公開されている動画を見るのをおススメします。
http://www.microsoftvirtualacademy.com/training-courses/decode2015-keynote
今後、Microsoft社が進む方向性を具体的な事例で示したセッションです。
すべてのプラットフォームにリーチする開発、IoT、機械学習、VRとNUIと多岐にわたる可能性を見せてくれます。特にAzureでビッグデータを扱う具体的な事例として、TOYOTAさんのプレゼンは必見です。
de:code special session ~マイクロソフトが 考える 5 年後を見据えた技術提言~
キーワードとして、サービスの改善を行うための、リーンエンタープライズ、オープンイノベーションなどが挙げられていました。また、Microserviceが広がることにより、より徹底したコンポーネント化が進み、開発ではビジネス機能単位のチーム体制やサービス間をまたがるデータ管理が必要になると言われています。
開発パラダイムについては、オブジェクト指向型から関数型へ、解決思考から問題定義思考へ。 さらに、リアルタイムに大量のデータを分析する機会が多くなり、マシンラーニングが台頭、5年後にはそれが普通になっているだろうとのことでした。
まとめとして、以下の主旨の提言がなされていました。
- ニーズより問題や価値を
- 迅速な試行錯誤
- 変化への対応
- 技術への投資ための目利き
- 限られたリソース、オープンイノベーションの活用
開発者が今後注目すべき視点として重要になってくると思います。
Dynamics CRMの開発フレームワークで コーディングレスに作れる業務システム
次の仕事で使用すると言われていた、Dynamics CRMのセッションを聴講しました。
私自身、Dynamics CRMって何?という状態だったので、ライブ形式で実際の画面を触りながら機能を説明してくれたこのセッションは大変ありがたかったです。
内容としては、外部アプリ、特にOffice365との連携が強調されているような印象を持ちました。
これから、業務システムにおいても大量のデータを可視化・分析する機会が多くなるにつれ、この連携機能とPower BIは重宝しそうです。
Visual Studio 2015 ~広がるアプリ開発の 可能性と統合開発環境の進化~
主に Visual Studio 2015の新機能を紹介するセッションです。
今回発表された新機能のカテゴリは大きく分けて3つ。
クロスプラットフォーム
Xamarin、Cordova連携によるiOS、Androidアプリ作成環境の充実などDevOpes
IntelliTestの搭載、IntelliTraceの強化、ReleaseManagementなど
//build/ 発表時の反応とあわせて考えると、やはり Visual Studioだけで、iOS、Android用アプリが開発できるようになったことが、今回一番の目玉だと思います。
あと、見ていて使ってみたいと思ったのは IntelliTestですね。
TDDでない場合のユニットテストの作成は、結構、骨が折れると感じているので、自動でユニットテストを生成してくれるこの機能は良い助けになってくれるかもしれません。
マイクロソフトとサイバー犯罪との闘い ~デジタルクライムユニットと データセンター管理~
マイクロソフト社がどのようにサイバー犯罪への対策を行っているかを紹介するセッション。
Microsoftは世界で2番目にサイバー攻撃の対象にされている企業ですが、これまで情報漏えいなど、セキュリティが破られたことはありません。その理由を、どのような基準でサイバー犯罪に対応しているのかと、攻めのセキュリティ、守りのセキュリティという2つの視点から分かりやすく説明してくださいました。
攻めのセキュリティとしては、法務部門内にあるサイバー犯罪対策専任部隊の紹介や、ボットネットの活動勢力をExcelのPowerMapで可視化しての説明、MS PhotoDNAを使った画像解析でネット上の弱者の保護を行っていることなどを。
守りのセキュリティとしては、メガデータセンターをどのように守るのか、データの安全を保障するための基準、HDDの処分方法などの説明がありました。